「うつ病本」で良い本を読みたければ「家族向け」がおすすめな理由

こんにちは,とどです。

無数にあるうつ病本をジャンル分けしてなんとか攻略できないかなと取り組んでいたのですが,どうもハズレの少ないジャンルがあることに気づきました。

それがタイトルにも書いた「家族向け」。家族がうつ病になったら~というタイプの本です。このタイプは顕著に納得度の高い,闘病者本人が読んでも良いなと思える本が多いです。今のところ3冊読んで3冊とも当たりです。

そういえば未読ですが『ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)』とか映画化もされていますよね。

何故家族向けは当たりなのか。どこの誰だかわからない僕が当たりだと言っただけでは信用ならないと思いますので,その理由を考えてみました。

うつ病本をいくつかのサブジャンルに分けるとすると,①患者本人の体験談系,②医師による解説系がとりあえず大きなサブジャンルです。

これ,どちらもあたり外れが大きいんですね。単純に数が多いので玉石混交になりやすい(ばらつきが大きくなる)という問題もあるかと思いますが,それ以外にも書き手の立場がもたらす難しさがそれぞれにあるように思います。

まず,患者本人は自分のことすぎて,体験を言語化するのがそもそも難しいんだと思います。『うつ病九段』の先崎学さんは元々コラムやエッセイを書かれている経験があったので読ませるだけの文章力があった例ですが,自分語りを上手く書くのには文章力の技量が相当高水準で必要なのだと思います。

次に,医師による解説系。こちらは「あまりに多様な患者を診すぎている」ために感情移入が難しいです。患者さんのプライバシーに配慮しつつ短く紹介する事例紹介,一冊の本の中に多くの症例がでてくることが多いです。良くも悪くも医師は他人なのです。医師には他人でいてもらわないと困るので,それでいいのですが。医師の書いた本にはうつ病について勉強するための「教科書的」良書はあるのですが,何か納得感を求めて「読書」として読むタイプのものではないかなと思います。

家族向けの本には,本人の自分語りでもなければ,医師による他人語りでもない,絶妙な距離感で,しかも健常者の目から見た,うつ病患者を取り巻く社会描写があるんですね。うつ病患者はこんな感じ,主治医はこんなことを言ってる,家族である私もいろいろと悩むけれどもはけ口がない・・・間に立たされたジレンマがよくわかる。

そのジレンマ描写を読むことで,患者本人が読んでも,なるほどこう見えているのか,なるほどこう困らせているのか,なるほどこういう心配ごとがあるのか,こういう見通しがあるのか,今このくらいのステージかな,いろんな社会が見えてくるんですね。本人でも医師でもない3人目。誰よりも近くで,でも本人ではない。そのカメラの位置づけが良い画を撮りやすく,良い本を書きやすくする効果があるのだと思います。

そもそも社会に対する認知が歪んでしまうのがうつ病のやっかいなところなので,健常者目線というのを取り戻すためにも良いと思います。ということで,少し元気がでてきてうつ病についても何か読みたいなと思えるようになったらあえて「家族向けの本」を読んでみるのがおすすめです。

本が読めた?じゃあ全然詰んでない!

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