仕事を休むのに11ヶ月かかった。休んで良かったと実感するまで3ヶ月かかった。

こんにちは,とどです。

重度な抑うつ状態で生活に支障がでているような状態のときに,仕事を休むべきでしょうか。多くの普通の人ならば休むべきだという結論にいたることができると思います。そして,多くの抑うつ状態の人は,その決断ができないでいると思います。

心身の健康のために仕事を休むべきかどうか,この「べき論」を論ずるには個々人の経済状況や家庭状況,仕事の状況によっていろいろ悩みのポイントが違うと思います。そして,こうしてインターネット上の他人である僕がどうこう言ったところで,その意思決定に与える影響は微々たるものでしょう。そもそも適切な意思決定ができないのがうつ病の症状の1つですので,「べき論」はひとまずおいておいて,ひとりひとりが,よりよい結果に至るようただただお祈り申し上げます。

1人の当事者ではあるので,自分という1人の人間の結果,その事実を語ることはできます。今日は,説得力に乏しい「べき論」を振りかざす代わりに,僕の経験した2つの事実,2つの結果をご紹介しようと思います。仕事を休もうかという選択肢が頭に思い浮かんでから実際に休むに至るまで約11ヶ月かかったという事実がひとつ,実際に仕事を休んでから,仕事を休んだ効果を実感できるようになるまで3ヶ月かかったという事実がもうひとつです。

仕事を休むまで11ヶ月かかったこと

仕事を休むかどうかの判断に迷ってから,実際に休むに至るまでに11ヶ月かかりました。最初にもう駄目かもしれないと思ったのは2017年の年末でした。1度は精神科への入院を検討し,入院を1度は断念し,その後紆余曲折を経て,2018年の10月下旬に再度のメンタルの悪化により今度はドクターストップで自宅療養するに至ります。

この11ヶ月の間に僕は糖尿病の通院を中断し,まあ健康診断に引っかかるぐらいの状態から要入院の状態にまで悪化しました。2017年の年末で仕事の継続を諦めていれば,複合疾患というややこしい問題は抱えずに済んだでしょう。結果からみて振り返ると,11ヶ月遅かったといえるし,11ヶ月で済んでよかったと言えるかもしれません。事実は11ヶ月かかったということが言えるだけです。事実から価値判断をすることは難しいです。

仕事を休んでから休んだことに効果があったと思えるようになるまで3ヶ月かかったこと

人によって,仕事を休むことが及ぼす影響は様々だと思います。投げ出せないようなプロジェクトをかかえている,キャリアにひびく,経済的な不安が増す,1度休んだら2度と仕事に戻れないかもしれない,ネガティブな要素は,僕が言うまでもなく,いろいろあると思います。以下省略。

僕の場合,ポジティヴな方の変化は正確には2段階ありました。ひとつめは,休むと報告した直後です。「ちょっとどうしようもない状態です,ドクターストップかかったので休ませてください,何をお願いしなければいけないのか整理がつかないのでまたメールします」というメールに対して,上司と職場が後は任せろ状態になってくださったこと。これで楽になりました。

楽になったとうつ病がよくなったは違うのですが,楽にはなりました。もう休むか休まないかその意思決定で消耗していたし,休むとしたらいったいどれだけの引き継ぎが発生するのかもう全然わからないぐらいには朦朧としていたので,職場がフルサポートするよ&いつもどってきても良いようにやっておくよの120%リアクションをとっていただいたことで当座,楽になりました。これは僕が恵まれているのであって,誰しもがこういう環境にあるわけではないと思います。

もう少し内面でうつ病と向き合って,ああ仕事を休むことが,休息をとることがうつ病の状況をマシにするのだということを自覚できるようになるまで3ヶ月かかりました。

仕事のストレスが直接の原因だと強く自覚している人のケースならばもっと早くに成果が出るのかもしれませんが,僕の場合は別段仕事が直接の原因かどうかはよくわからない状況でした。仕事をしていれば良いことも悪いこともあるし,それが精神にあたえる影響はさらに複雑で,良い出来事が脳に悪い影響を与えるかもしれないし,悪い出来事が脳に良い影響を与えているかもしれないわけです。

僕はこれまで上述の通り,恵まれた職場環境で,経済的にも扶養すべき家族がいるわけでもなく,自分の食い扶持はとりあえずなんとかなっています。でもうつ病なのです。お金がないから不安だとか,仕事が辛くて辛くて抑うつ状態になったわけではない。でもうつ病なのです。

つまりどういうことかというと,今仕事ができない状況にある自分の状態は理解しているけれども,仕事が直接ズバリの原因でない以上,仕事を休んだからといって今直面しているうつ病(と名付けられた得体の知れない混乱と消沈の有象無象)が解決するとは限らない,もしかしたら悪くなることだってあるかもしれない,これが普通の推論であるわけです。この疑念にまみれた状態から,なるほど仕事を離れることに意味があるのだと実感できるようになるまで3ヶ月かかりました。

3ヶ月が長いか短いかはよくわかりません。でも時間がかかるかもしれないことを当事者や周囲の人が理解しておくことには意味があるのだと思います。

仕事を休んで,自宅でただ療養することが,どうしてうつ病に効果があるのか。

仕事を休んだところから始まり,まずは散歩をするとか,(僕の場合は途中で糖尿病の入院が挟まりましたが),図書館に通うとか,いろいろやってみて,あーなるほどなるほど脳内ちょっと整理されてきた気がする,意欲がわいてきた気がするという感覚にたどりついて,「ふむふむ仕事から離れることの効果というのはこういうことか」というのが自覚的に整理されたのは,実は今朝方のことなのです。ここまで3ヶ月と1週間かかりました。

上手く表現できる自信はないのですが,抑うつ状態というのは脳内の報酬系?みたいなものがバグっていて,普段なら楽しいことをやっても楽しくない,これがうつ病の基本的な状態であるとしましょう。

これを治すためには脳内の配線を一旦全部抜いて,楽しいことって何だったっけというのを配線し直す作業が必要になるわけです。最初は散歩してみると気持ちいいとか,次は散歩するぐらいしかできることがなくって退屈だなとか,もうちょっと意欲がでてくるとブログが書けるとか,本を一冊読めたとか,僕はだいたいこんな感じでできることが増えていきました。

どういう過程が生じているのかというと,とりあえず楽しいはずだとわかっていることをやってみて,脳から楽しいねという反応が返ってくるまで,いろんな楽しいはずなことボタンを押しまくる,楽しいね反応が返ってきたらその配線を繋ぐ,その試行錯誤をしているうちに1日の活動量がちょっとずつあがってくる,そんな感じの脳内整理作業が行われているイメージです。

僕は今はまだ楽しいことを試している状態ですが,活動量があがっていけばストレスフルな作業をする→適切なレベルのストレスを感じるという配線もつながるようになるはずです。

この脳内配線を整理し直す作業は,仕事を継続していては無理だということをようやく最近自覚できました。仕事の中には楽しいことも嫌なことも普通なことも,いろいろなボタンがありすぎるし,返ってくる反応も多様すぎるし,反応がかえってくるまでの時間も様々です。いろんな人がいろんな反応をしてくる,そういう人の反応を推論して行動する,脳が混乱している状況でこのようなことをするのは,混乱に混乱を重ねるようなものなのです。

まず一旦全部離れて,簡単ですぐに反応が返ってきて楽しいことをやってみて脳を整理させる,順番に試して脳が正常な反応を返し,徐々に1日の活力があがるようにしていくための暇と時間が必要になる,これが僕の理解した限りの自宅療養がうつ病に効く理由です。

べき論より経験を共有する

うつ病で仕事から離れるべきか。この「べき論」に答えを出すのは難しいことです。だから,もし仕事を離れることがあったら,「べき論」よりも「経験した事実」を共有して積み重ねていただけるとうれしく思います。僕は11ヶ月と3ヶ月でした。中身は上述のような感じでした。人によって僕よりももっと短かったり,長かったり,中身もいろいろな経験があると思いますし,そういう経験談をためていくことはきっと社会にとって良いことなのだと思います。まだまだ詰んでない!

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